スワンボートを漕ぎながら

元文学部生のぼやきです

『奇跡の2000マイル』 旅の効用は自分次第

『奇跡の2000マイル』を観てきました。


『奇跡の2000マイル』 予告編 - YouTube

主演はミア・ワシコウスカ! 私が一番好きな女優さんです。
2000マイル=3200kmという、容易には想像がつかない距離。さらに、旅をするのはオーストラリアの砂漠。
この前代未聞の挑戦を一人の女性がラクダと愛犬とともに実行します。

旅をすることで何が変わるのか

いきなり作品の話題から外れますが、先月『しくじり先生』(テレビ朝日系)という番組にて、元猿岩石の森脇さんが今までの人生について話していました。
猿岩石と言えば「電波少年」の過酷なヒッチハイクの旅が有名ですよね。私はちょうど生まれたばかりで全く知らないのですが、番組が人気であった事実は知っています。

さて、彼はそれほど過酷な旅を経験したのですから、私たちは当然、旅を通して「根気」「忍耐心」といったものが身に付くと想像します。
しかし彼は、旅を終えた後もダメ人間のままで、何も変わっていないんですね。芸人引退後も転職を繰り返し、根気などまるでありません。
彼にとって見れば、あの過酷な旅は苦痛でしかなかったんですね。

なぜあれほどの経験をしても変わらなかったのか、それは彼の旅が“受動的”だったからです。そもそも彼は番組の企画として旅をしていたわけで、“旅”とは異なった行動かも知れません。

受動的な旅とは、例えば修学旅行時の寺社仏閣巡りだったり、乗り気のしない家族旅行などがあります。あれほど退屈で苦痛なものはないです。
でも、これらは“私にとって”退屈な旅であって、人によっては仏像が好きだったり、兄にとっては楽しい家族旅行だったのかもしれません。

当たり前ですが、旅の経験は良くも悪くも自分次第で変化します

主人公が旅路の果てに観た景色

『奇跡の2000マイル』の話に戻ります。

主人公が「砂漠を横断する!」と周囲の人々に言ったとき、「正気かよ」と総ツッコミを入れられます。中には彼女の挑戦を面白がる人もいましたが、それはあくまで客観的であり、自分が行こうとは思わない。

しかし、彼女は自分を変えてくれる大きな期待を旅に抱きます。旅がいくら危険でも、達成することで何かが変わる。彼女は周囲の反対の声に耳を傾けず、砂漠横断という無謀な旅を決断します。
そして、彼女は無事に砂漠を横断します。

注目して欲しいのはその後です。彼女が旅の終わりに観た光景が非常に美しい。
オーストラリアの瑠璃色の海に、白い砂浜。私はこの映像を観れただけでも十分満足してしまいました。
また、彼女は旅を通して非常に大きなものを手に入れます。これは映像として描かれていませんが、彼女の表情などから伝わってきます。
過酷な旅を苦痛にしか感じなかった元猿岩石の森脇さんとは対照的ですね。
(一応書いておくと、私は森脇さんを尊敬しています。)

★★★

最後に、私が本作を観て連想したくるりの『ハイウェイ』を貼っておきます。
「僕が旅に出る理由は~」で始まる、あの曲です。
犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』の主題歌としても使われましたね。


くるり - ハイウェイ - YouTube

『奇跡の2000マイル』、他の旅を扱った映画にはない「本気の決断」が描かれています。何か大きなことをしたいと考えている方、ぜひ観てみてください。

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