スワンボートを漕ぎながら

元文学部生のぼやきです

『美の侵犯 蕪村×西洋美術』 異質なものを関連させて考える

録画しておいた、7月19日放送の「日曜美術館」を観ていました。
今回のテーマは与謝蕪村の俳句と西洋美術」
司会者とゲストの方々が蕪村の俳句を一つ選び、その情景に合った西洋美術作品を紹介する、という内容でした。
最近のEテレは、なかなか魅力的で興味深い内容を発信してくれますね。

今回の日美は、ある一つの本を参考に進んでいきます。
それは北川健次著『美の侵犯 蕪村×西洋美術』。

美の侵犯―蕪村×西洋美術

美の侵犯―蕪村×西洋美術

北川健次さんは銅版画やオブジェ、コラージュ作品など幅広い活動をされている作家さんです。そんな北川さんが今回取り組んだのが、蕪村の俳句と西洋美術を組み合わせること。
私は「そんなことが可能なのか?」と疑わしく思っていたのですが、蕪村の俳句に合った作品が次々に見つかっていくんですね。日美出演者が番組内の20分間で探しただけでも、いくつかの作品が見つかります。

私は次々に作品が繋がっていく光景を、大変興味深く観ていました。
しかしふと「大阪駅のナルト大喜利ポスターみたいだな」と思ってしまったんですね。現在JR大阪駅にて行われている、ナルトの名シーンに芸人が面白コメントを入れる、あの企画です。なかなか面白い企画で、Twitterなどで話題だそうです。

今回のナルト大喜利ポスターは、漫画の「絵」に対して芸人の「言葉」をぶつけたものと考えることができます。同様に、蕪村の「言葉」に対して西洋の「絵」を繋げてみたのが今回の日美です。
このように見ると、両者を隔てている捉え方の一つに「高尚か低俗か」という差別的な見方があることがわかります。これはなんとも疑わしい差異です。同じ「作品」を階層的に隔てているものは、一体何なのでしょうか?

★★★

今回は芸術云々の話ではないので、今回の「蕪村×西洋美術」という視点に戻ります。この視点は、他のことにも応用できそうですよね。
例えば松尾芭蕉×日本のアニメ」とかボードレール×邦画の名シーン」だとか。
このように関連させて考えることは、日本人得意だと思います。中でも作品を戯画的に解釈し直すことにおいて、日本人は卓越した才能を持っていますよね。ニコニコ動画のMAD動画なんかもそうではないでしょうか。

今回は「絵」と「言葉」を関連させることに限定しましたが、さらに視野を拡げても面白そうですね。私が所属する文学部では「芸術」と「社会」をぶつけて考えることを重要視しているので、その辺りも関連させて考えてみたいです。

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